大好きだった浅草からまた一つ何かが消えました。歴史なのか名物なのか景色なのか、、、とにかく俺の中で何かが消えたのは事実。
浅草の一角にとある有名な女性がいました。多くは「チェリーさん」と呼ばれていました。わかる経歴と言えば「若い頃は浅草ピンサロのナンバーワン嬢」だったって事くらい。彼女は街に立ち客を取るいわば「たちんぼ」でした。
年齢も70代なのか80代なのか不明、頭に100円ショップのティアラを着けていたり寒い日にはリラックマのブランケットを羽織り小さい小さい身体で毎日同じ場所にいました。去年年末前辺りから姿を見なくなり心なしか心配していましたが2012年年末帰らぬ人となったようです。
行き倒れとも強盗に襲われ怪我をしたとも言われていますが真相は解りません。去年10月に取り壊しが決まり今は無きポルノ映画館で客を取っていたらしいが映画館も無くなり彼女の中でも何かが消えて行きもしかしたら一つ区切りがついたのかもしれないと思ったり、、、毎朝浅草寺へお参りしてる彼女をほぼ毎日仲見世を下ってくる彼女とすれ違うたびに「あぁ今日も元気だ」「今日は機嫌が悪そうだ」とか仏像の前で大声で泣いて拝んでる彼女を見た時は「なにかあったのかな」とか妙に心配したり、、、それが普通の俺の浅草でした。ずっと一度話したいと思ってていつかお茶でももって話に行こうと思っていた矢先だったので亡くなった事を知った今日久しぶりに人の為に泣きました。なぜだか解りませんが自然と涙が出て来て、何となく安心した気持ち寂しい気持ち悲しい気持ちで溢れました。
写真家・鬼海弘雄さんが浅草に行く度に彼女を撮影していてとてもいい写真なので一部掲載します。
こころよりご冥福をお祈りします